「Cloud Collector #93 EBI奥田阿部西川手島『UNICORN』」を表示中↓
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マインクラフトをやってて、「ツール作る為の棒が欲しいな」って思って適当に原木を切り取って、
それをそのままかまどにぶち込んで「木炭」を作成した後、
「あ、違うわ、棒を作るんだった」と作成した木炭を手に持って思ったりしてるんですが、
現実世界で手に炭を持って途方に暮れてるオッサンは相当ヤバいので
ゲームの世界でも自重したほうがよいでしょうか。S2です。
皆さんの周囲にもありませんでしたでしょうか。もちろん公式最終回の話じゃないので信憑性のかけらもないんですが
僕の中で最近これが名探偵コナンの最終回仮説として脳内に存在していて、
1巻で黒の組織に飲まされた薬によって工藤さんが倒れてしまい、
そこから100巻分夢を見続けているのではないか
という仮説なのですが、そこまでくるとむしろそっちが現実世界でもういいのではないかとすら思いますが
それはそれとして、今回の1枚は上記内容とは一切関係ございません。どん。
1. SOLDIER
本作はUNICORNさん関連のリリース物の中でも「おどる亀ヤプシ」と双璧の「難しい作品」だと思います。
1992年、UNICORNさんはそれぞれソロシングルを連続リリースする、という企画を開始し、
そのうちの1枚がこれだったんですが、本作はそんなソロシングルリリース時に同時レコーディングされ、
シングルにならなかった未発表曲を収録した、ソロ作品総括みたいなミニアルバムです。
収録曲順はソロシングルのリリース順のため、
アーティスト名がUNICORN、作品名が「EBI奥田阿部西川手島」ではなく、
アーティスト名が「EBI奥田阿部西川手島」で作品名が「UNICORN」
そうした、ちょっとした特別版ということもあり、本作で収録されている楽曲はあまり他のアルバムに収録されるってことがなく、
全曲が15周年にリリースされたCDBOXに収録された以外は、2007年にリリースされた「奥田民生さん以外のメンバーのベストアルバム」である
「セルフセレクション」にそれぞれ収録された(阿部さん除く)くらいで、
本作も限定生産だったということもあってレア曲集合体作品みたいなことになっています。
いまとなっては本作はわりと中古市場にも出回っているので、手に入れるのはそれほど難しくはないと思います。
最初から通して聞くと全員がそれぞれすぎるんですよね。
いや、なんだろ。あーの、これ凄いことだと思うんです。つまりは個性が際立ちまくってるっていうことなんですよ。
なんですけど度が過ぎるんですね。
この作品の基となったソロ企画のシングルリリース順はじゃんけんで決めたそうなんですが、
これを聴くとEBIさんが最初で、手島さんが最後でホントよかったと思います。
マジでこれを1つの作品として成立させるには「SOLDIER」と「白い部屋」の位置はここしかないのです。
EBIさんの「SOLDIER」はストリングスアレンジの利いたシリアスなロックチューンで、
まんまこの作品はその後のアルバム「SPRINGMAN」収録の「薔薇と憂鬱」や、EBIさんのソロ作品「SPEED OF LOVE」や「film」に
繋がっていくのがわかる1曲です。「UNICORNじゃできない路線」と当人が言っているのも頷けます。
手島さんの「白い部屋」は彼のソングライティングの秀逸さを際立たせるロッカバラードで、
ソロ作品「眠れぬ夜」→「白い部屋」→「SPRINGMAN」収録の「オールウェイズ」という流れが凄くマッチします。
この2曲は大丈夫なんです。
この作品をただものじゃなくしているのは、この2つの良心に挟まれた
残りのクセの強い3曲によるものだと思っています。
先に誤解なく言っておくと、残りの3曲も凄いんですよ。これは間違いなく。
ただ、聴き手に対して無差別発砲マシンガン化させる元凶だと思うわけなんですよね。
このちょっと前にジュンスカ(元となってしまいましたが)の寺岡さんとやっていたバンド「寺田」でも披露された楽曲です。
この頃の民生さんらしいコミカルチックなアレンジと軽い感触の歌詞、クセになるメロディラインの1曲なんですが
その前にEBIさんがやった「SOLDIER」の重厚感というかシリアス感というかそういう空気感を
すべて完全にかき消す1曲になっているのです。
何だろうな、高級寿司屋で最初にマグロが出て、
次ハッピーターン出てくる感じなんですよね。
民生さんはソロ企画で「休日」「健康」という2曲をシングルリリースしているんですが、この「行列」は
その流れにすら乗ってこないという感じです。
だからこそ、民生さんの持つ引き出しの多さが際立ってるとも言えます。言えるんですけど、聴き手はびっくりするよね。
リアルタイムで当時このミニアルバムを聴いている人は、恐らくソロシングルも通過したうえで聴いてると思うんですよ。
ということは民生さんが切った「休日」というシングルを経ての、この1曲という事なんで、
少なくとも僕は当時実にびっくりしたというか耳が思考停止したような感覚がまずあって、
その後とんでもない中毒性に襲われるって感じでした。
この歌をベスト1に挙げてるファンの方も結構いるそうなんですが、それはそれでわかるんですよねぇ。
これがまたフルスイングで独自性を主張する1曲になっています。
ソロ企画中の阿部さんの作品はAIDS問題をテーマとした作品になっていて、カップリングが電気グルーヴさんとのコラボという
これはこれで混沌の1枚だったのですが、それを経ての本作となると
もうなんかこの人だけ2世紀先に生きてんのかなっていうくらい全然違う曲を
放り込んできている感じです。まずそもそも歌モノじゃないのです。
切り取られた表現と、レコーディング参加者に好きな言葉を言わせたものを収録し、歌詞カードに歌詞も載せない、
あまりにも前衛的な1曲に仕上がっています。これはもう聴いてもらわないと説明ができません。
ただ、この後の阿部さんのアルバム「A」とはつながる気がするんですよね。
詳しくは「A」がランダムプログラムで選ばれたら書きたいっていう話でもあるんですが、
「A」にだったら収録されていても違和感を感じない1曲だったかもしれません。
それくらいその後の「A」というアルバムがバケモノであり、阿部義晴さんという方のとんでもなさだったりするわけです。
ソロ企画で出した「リキッドマン」とカップリングの「マカロニコンプレックス」については
こちらでレビューした通りで、歌詞のとんでもなさに衝撃を受けた僕様だったんですが
この「竜巻野郎」はちょっと本人に弁解してもらわないといけないと思います。
いや、狙ってる方向性はわかります。石原裕次郎さんの「嵐を呼ぶ男」なんですよ。
アレです。「おいらはドラマー やくざなドラマー」とか言いながら
途中で人をフルボッコにするあの歌なんですよ。
ただまあ、なんというか、なんやねんそれっていう感じなんですね。いや伝えにくい!
あの、とにかくメロディーのつけ方は上手いし、井上りえさんの歌唱もベストマッチです。
西脇辰弥さんによるアレンジも抜群にこの曲の良さを引き出してるんです。
そして本編となる西川さんのドラミングもめちゃくちゃカッコいいんです。
つまり、弾は揃ってるんですよ。で、、、っていうこの感触ですよ。
脱力とも違う、この感じを是非味わっていただきたい。
できれば「POWER」の重さを経て、続けて聴いてほしいです。
あまりの中盤の散らかり方で「SOLDIER」と「白い部屋」を強調してないレビューになってしまってますが、
むしろこの2曲の為に買ってもいいまであると思ってますので、
あまりにもトータルで聴くと難しくなりますが、個々のインパクトと、それぞれの音楽性の広さを感じれる1枚ですので
是非この衝撃を皆さんも経験してもらいたいなあ、と思う次第だったりします。
S:正直な話、 H:放置してた理由が R:理解できない。
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