「Cloud Collector #118 ゆらゆら帝国『ゆらゆら帝国III』」を表示中↓
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この炎天下の中、なぜか選挙に一緒についてきた娘ちゃんが、とりたてて何もない道中と、
とりたてて何もすることがない投票所を経て、とりたてて何もなく帰ってきて、
「楽しかったね!」とニコニコ顔で言ってきましたが
結果も含めてパパもまあまあ楽しかったよ。S2です。
この1つの結論で何か大きく変わったりするのでしょうか。今後の展開に注目なわけですよね。
比較対象としては適切な話ではないですが、音楽業界でも「ある1枚が出たことで大きな変化が出た」みたいなリリースが
あるよなあって思う僕様がいます。
音楽性が変わることもあれば、周囲の評価が変わることもあるわけですね。面白いもんですよね。
今回の1枚は、直前のシングルによって少なくとも僕の周囲の評価がガラっと変化した1枚です。
こちらです。どん。
1. でっかいクエスチョンマーク
そんなゆらゆら帝国さんによる、オリジナルアルバムとしては6枚目となる本作。
「III」なのはメジャーデビューしてからは3枚目だから、ということだと思われます。
先行シングルは「ゆらゆら帝国で考え中」で、本作リリース後に「ラメのパンタロン」がリカットシングルとなっています。
「ゆらゆら帝国で考え中」に収録されていた「針」「パイオニア」の2曲は収録されず、
「ラメのパンタロン」には表題曲の他「男は不安定」「頭炭酸」「少年は夢の中」の3曲が別バージョンで再録されました。
また「待ち人」が後にベストアルバムにも収録されています。
「何だこの勢いは」っていう空気感を引きずったままリリースされたこともあって
先行シングルと併せて、なかなかの盛り上がりを見せたアルバムだったという印象です。
ただ、「ゆらゆら帝国で考え中」という楽曲の破天荒っぽさに対して、いざリリースされた本作は
どちらかというとこれまでのゆらゆら帝国さんよりもややポップに寄ったつくりなのかな?という感想です。
その結果「きっちり枠内に収め切った1枚」っていう感じですね。この1枚の中で構成されてる1曲1曲が実にハイレベルで、
タイトルだけでは内容が想像できないような良曲がひしめいている1枚です。
いや、わかんないですよね?「頭炭酸」って言われても。
曲順見てくださいよ。「頭異常なし」の後に「頭炭酸」ですよ。
異常でしかないだろと思うんですよ。
この2曲は結果的にかなり地に足のついたロック楽曲だったりするんですけど、
そもそも「ゆらゆら帝国で考え中」って楽曲でリスナーが考え中のまま出てきたアルバムですので、
正直僕としてはリリース時点では「何がどうなろうと驚かない」という感じで構えることができました。
それまでのアルバム「ミーのカー」も「3×3×3」もとんでもない完成度だったことを考えると、
「まあ、これくらいのことはできるんですよこのバンドは」っていう感想だったんですよね。
むしろ周囲で急に「ゆらゆら帝国いいね!」って言ってきた連中に
「お前らバンド名の先入観で聴きもしなかったくせに!」と葛藤してた記憶の方が強いです。
どこか違う時空の事を言っているような妙な多幸感のある歌詞も、各曲でそれぞれがロックとして主張してくるメロディも
曲によって表現も異なってくる歌声も、唐突に跳ねたと思ったらすぐ土台に戻ってくるベースの音も、
やたら主張してくるのに邪魔にならない連打を繰り出すドラムも、全部が構成として完璧に聞こえてしまいます。
「少年は夢の中」のコーラスを聴きながら終わらせていくサイケなエンディングも抜群ですねぇ。
「ゆらゆら帝国で考え中」がやたらフューチャーされまくってましたが、僕としては「待ち人」や「砂のお城」「少年は夢の中」といった
ミディアムな楽曲こそこのアルバムの神髄のような気がしています。
当時の僕様は「でっかいクエスチョンマーク」って楽曲が一番お気に入りで、
まずこのタイトルが気に入ってて、よくエッセイの中でも引用してましたね。
「厳選エーテルノート」の中でも2006年12月7日の記事の中でしれっと使ってたりします。使い勝手がいいのよね。
参議院議員選挙が終わり、改めて「ゆらゆら帝国で考え中」の最後の歌詞が刺さります。
「このへんてこな世界でこれからやっていくわけなんだけど」
その出し方は心拍数が上がる(東北編)。
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