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「Cloud Collector #139 COIL『ロープランド ミュージック』」を表示中↓

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★2025年10月23日(木)★Cloud Collector #139

家の外で工事してる人たちの

「ガーディアン2体持ってきたー」

「味付けはー?」

「ちょっと待って豪族来た」

という会話が聞こえて要素が多くてフリーズ中のS2です。







豪族は会っておいたほうがよかったんじゃないかという気がしているのですがそれはそれとして、

今となってはデスクトップミュージックが当たり前のように浸透して、自分の家で普通に音楽を作れる時代が

来てるわけじゃないですか。昔はスタジオじゃないところで音楽をやろうとしたら

それこそいろんな機材が必要だったりとかしてたわけですよね。

そういうレコーディング形式を「宅録」なんて呼んだりしていて、なんとなくS2さんは

この「宅録」ならではで聞こえてくる音質が凄く好きだったりするんですよね。

なんというかコンクリートジャングルの中にあるオシャレな木造建築みたいな。

今回の1枚はそんな「宅録」の旨味を詰めたこちらの1枚でございます。どん。







No. 3175





「ロープランド ミュージック」
アーティスト名:COIL
発売日:1999/06/23

1. 方舟
2. あ・い・す・ま・せ・ん
3. I think so 思う
4. A SONG FOR 飯田
5. COILの「欲望」
6. 僕はスーパーマン?
7. When she comes
8. とんとん拍子
9. Flowers
10. BPlues
11. 仮免マン
12. クルクル フェチ (Album Version)
13. ノルウェーの木
14. とっとと
15. 天才ヴァガボンド



「ロープランド」は横浜の綱島の事を指し、まさにCOILの岡本さん・佐藤さんの自宅からお届けします的な

活動形式でスタートしたCOILさんのファーストアルバムです。シングル楽曲は「天才ヴァガボンド」「あ・い・す・ま・せ・ん」

「クルクル フェチ」の3曲で、それぞれのシングルのカップリングは全て本作では未収録となっています。

また、「僕はスーパーマン?」と「BPlues」の2曲はメジャーデビュー前に一部関係者へ配布された

デモCDにも収録されていたりしています。

僕様はいろいろあって一部関係者だったので今でも大切に保持しています。







そしてこの1枚はもう当時の宅録の最終到達地点でいいんじゃないかっていうくらい、

宅録が出すべき味みたいなのを全放出してるかのような作品です。

また、ビートルズさんの「ホワイトアルバム」を意識した的なコメントが当人達からあったのですが、

これがまあ、非常に言いたい事がわかるというか。

この人たちの音楽の通過地点の中にビートルズさんは絶対いたんだろうなっていうのが非常にわかります。

特に岡本さんに顕著かもしれません。「When she comes」なんかはその最たるものなんじゃないでしょうか。

あと、全部で15曲も入ってるんですがトータルで50分もいかないんですね。1曲1曲が非常に簡潔。

一番長い曲が「BPlues」ですが、それでも5分越えないんです。

これがまた実にもっと長くても良いのに、もっと長いと駄目な気がするっていう

凄く絶妙な距離感なんです。わかります?これ。

話の合う異性がいるんだけど、告白するのはちょっと違うんだよなぁみたいな!

そもそもの宅録としての音質に岡本さん・佐藤さん両名の声が絶妙にマッチしてて、

どことなく感傷的な感じにさせてくるんですが、まあ曲名見てうすうす感じれるように

ちょっとだけそこにコミカル混ぜるんですよね。

この結果がCOILさんの不思議なとこなんですが、最終的に歌詞がコミカルなまま終わる「クルクル フェチ」みたいな楽曲については

どことなく物悲しい感じも込みで終わっていくし、ちょっとだけコミカル混ぜただけの「I think so 思う」とかは

コミカルだった部分がただの1要素でしかなかったという点で「良い歌」として処理されている感じがします。







ただ、COILさんによるこのちょっとしたコミカル要素ってわりとこの辺りがピークというか、

この後はシリアス度が高まっていくので、COILさんの作品集としては「まずここまでが第1段階」みたいなところがあります。

そもそもこのアルバムはなかなか狡猾な作品というのが昔からのS2さんの率直な感想があって、

まず「方舟」っていうタイトルで始まるカモフラージュ感があると思ってるんですよ。

もう完全に偏見で話しますけど「方舟」ってタイトルでコミカルな歌作っちゃだめです。

なのでこの「1曲目:方舟」という配置の仕方が「全体的に真面目」というカモフラージュだと思ってて、

タイトルだけ見ていくとそこから6曲目までは力が抜けるんですよね。

だからこそこの「方舟」が1曲目にあるのがスゲェ生きてくるんですけど、じゃあこの「方舟」がどんな歌かっていうと

何言ってるかわからないんですよ。

で、この先はわりとちゃんと「何を主題としている歌か」みたいなのがはっきりしてるんですよね。

もっというと何言ってるかがわかるんですよ。

繰り返します。「方舟」は何言ってるかわからないんですよ。

でも、この曖昧な、単語をちりばめたかのような、この雑多なようでまとまったような1曲が

このアルバムを完全に牽引する1曲なんです。

そんで力が抜けたりシリアスに戻されたりを繰り返して最後に「天才ヴァガボンド」という楽曲で

サビの歌詞を読んでこのアルバム全部を総括させられるように思えたんです。

最後まで聴いたことで逃げ切れなかった僕は、その感想もうまくいくことはなく、

作者の意図までたどり着くことはできないんですが、このアルバムの全てを貰った気がするんです。

直前に書いた通り、作者の意図ではないかもしれないですが、僕様はこのアルバムについて

「方舟」で始まり「天才ヴァガボンド」で終わらせるこのまとめ方が、

リスナーを操り切ったように思えて、とんでもない作品だったわと思っちゃうんです。







僕はもうこのアルバムはこのままベストアルバムくらいの気持ちでいるんですけどね。名作ですよこれ。







では次回のランダムプログラム、どーん。





No. 4540





Next CD's Hint!!

ハトの最終形態は脳でした。





それでは、また次回。


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