「Cloud Collector #145 滝本晃司『3g』」を表示中↓
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仕事で「打ち合わせの日程調整」みたいな趣旨のメールを受け取ったのですが、相手先かこちらか原因はともかくとして、
「以下の日程で都合のよい日時をご回答ください。
?
みたいなのが来たんですね。これ理由はともかく「?」っていうのが何かの文字化けなのかな・・・と思いつつも、
正解がわからないので一旦様子見にしていたところ、ちょっとしてから訂正メールが飛んできて
「先ほど送信したメールが文字化けしたため訂正いたします。
?→?
よくなれよ。S2です。
それはそれとして、そんな序盤の話とは一切関係ない今回の1枚はこちらです。どん。
1. 23.4°
滝本晃司さんが、たま解散から2年後に出したミニアルバムです。
解散してから最初のリリースなんですが、それまでたま参加中に出したソロアルバムは全て普通に歌モノだったのに対し、
本作は完全インストの作品としてリリースされたため、「解散後のソロ活動そうなっていくの?」と
ちょっと衝撃だったのを覚えています。実際には次のアルバム「水槽の中に象」で歌モノに戻ってくるのですが
バンドが解散してソロ活動になる、ってなった時にその人がどういう作風で今後行くのかって、ちょっとドキドキするんですよ。
どうしよう、それまで政党はロックバンドのギタリストだったのに、
ソロで出したアルバムが全編、斧で薪を割ってる時の音で構成されてたら・・・とか思うわけですよ。
その場合はもう薬物とか疑った方が早いんですが、
特にバンドが「方向性の違い」とかいう理由で解散して、その後ソロ活動をされた場合、
バンド構成員のだれかが、少なくともそのバンドの方針とは違う音楽をやりたいから「方向性の違い」っていうのになるわけじゃないですか。
そうなると、ありえるわけですよ。解散理由が「薪を割った時の音を出したい」っていうのが。
まあ実際そんなことを言い出すやつがメンバーにいた場合の解散理由は「音楽性の違い」ではなく
「あいつとはやっていけねえ」だと思いますが、
実際問題としてバンド解散後にソロ作品がバンドと全然違う方向性だった場合の感想としては
「のびのびやってるなあ」みたいなところになるのかもしれません。
全編インスト、というのがやっぱその時の僕様的にはなかなかの衝撃だったので、
まず「なぜ?」っていうところからのスタート地点だったってこともあって、
ちょっと怖かった、っていう記憶があります。
過去作がいずれも独特の空気感の中で展開される楽曲たちだったこともあって、その音楽性は間違いないとは
思っていたのですが、全部インストとなると話が違うよなぁ・・・と思って再生して、
これはとんでもなく引き込まれるなという感想に瞬間変更されました。
のちに劇団の音楽を担当したりするようになっていくのですが、その片鱗がもうこのミニアルバムに存在していた、というわけです。
私の感想でいうと、1曲目の「23.4°」から、なんというかもう、
タイトルの意味は全然わからないのですが、
まるで深い深い深い森の中のさらに奥に進んで、木々と葉っぱで暗くなったところにかすかに差し込んでくる薄い日光、
みたいなこう、凛とした中の儚さのような、幻想的な世界観が広がります。
これね、実際やばかったんですよ。だいたいS2さんはこの企画でCDを聴くのが夜中、寝る前とかなんですね。
で、普通に歌モノであれば歌詞をじっくり見ながら楽曲を堪能するわけなんですけども、
インストの場合は見るべき歌詞カードみたいなものがないですし、たまにそういうCDって曲解説がついてたりするんですが、
それはそれで視聴の時は邪魔になっちゃったり余計な情報になっちゃったりするので、見ないようにしてるんです。
そうなると楽しみ方の選択肢として「目をつぶって」っていうのが生じるわけですよ。
こう、深くその音楽の中に溶け込むように・・・体全体で吸収するように・・・みたいな。
寝るんですよそれ。もう25時とかですし。
そうならないために目を見開いた状態で聴き入るっていうスタイルにならざるをえなくて、
第三者が見たらそういう種類の拷問にしか見えなくなるんですね。
それでも本作については、目をつぶって、森の中に堕ちる感覚を味わう(※個人的感想です)のをやりたくてしょうがなかったんです。
それまでの「23.4°」からの「Pollen」という展開は、なんというか世界観の継続がわかりやすかったんですが
この「FoFi」だけ僕的には突然やってきた違和感みたいな楽曲だったんです。
いや、これはこれで実に面白い楽曲なんですよ。結局のところ最後まで頭に残ったのは「FoFi」だったくらいの。
なんですけど、なんというか、あーの、怪談話をしてて、雰囲気を作って、怖い感じを出しつつ
「お前だー!」っていう瞬間あるじゃないですか。
あれなんですよ。この「FoFi」って楽曲の特性は。
で、その唐突な違和感があったことで、それまでの2曲で展開された神秘性みたいなものが
残りの4曲のどこかでまた再発してくるんじゃないか、ということで、気が気じゃなくなったんですね。
しかし実際には最後まであとは凄く神秘的で、幻想的で、深い森の中の光のような世界のまま終わったんですよ。
それで思うわけなんです。「FoFiすげえな」って。
と同時に全編振り返ると「FoFi」のアクセントは正しく完璧にこの位置で、
続く4曲目の「PiPo」で魅せたアクセントにもつながってきてたりして、
なんかもうインストアルバムとしては文句ない状態だなぁ、という結論になっちゃったんですよ。
これは本当に凄いミニアルバムです。日々に疲れた時にまた聴きたくなる1枚、という感じでした。
当時のS2さんはそこまでは思ってなかったと思いますが、今は本当にそんな立ち位置の作品でした。また聴こうっと。
黄金のベストグラフティー。
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