「Cloud Collector #149 TIMESLIP-RENDEZVOUS『BANANA PROJECT』」を表示中↓
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いつの間にか腹筋が6つに割れてたら家族はどういう反応するだろうと思い、
先日から筋トレを開始しているのですが、果たして
腹筋が割れるのと心が折れるのとどっちが先でしょう。S2です。
この1枚をレビューする日が来るのを待ってました、って感じなのです。こちらです。どん。
1. WOLF GANG
この時のシメに「『BANANA PROJECT』というアルバムで僕は完全にノックアウトされてしまう」と書いた、まさにソレが
今回の1枚というわけです。本作はフルアルバムとしては4枚目の作品で、前年にギターの井澤さんが脱退(のちに再合流)し、
3人組となった状態でリリースされました。先行シングル等のリリースはなかったので、完全新作のみで構成され、
後にリリースされたベストアルバムには本作から「WOLF GANG」「GREEN FLASH」「LOVEゲノム」「RUN FOR YOURSELF」が、
結成10周年でリリースされたベストアルバムには「AMBITIOUS 〜物語を始めよう〜」「ミッシェルウィズマスタッシュ」「LOVEゲノム」が
それぞれ収録されることになります。この感じで見ると「LOVEゲノム」が本作のリードのように見えますが、
リリースされた当時先行発表されたPVは「WOLF GANG」だったというキオクです。
多少思い出補正も込みにはなりますが最高でしかないんですよ。
というかですね、本作は非常に難しい位置にあるんです。S2さんはこの「BANANA PROJECT」についてこの時期に出た全てのアルバムの中でも
トップクラスの完成度だという認識でいて、それ自体は今も変わらない感想なんですが、
タイムスリップランデヴーさんというバンドを説明するうえでこの作品を出すのが正解に思えないのです。
「#82」で紹介した「僕の車で」っていう楽曲は、まあなんというか
「1+1=?」という問いの回答を16種類用意するくらいひねくれてるんですけども、
それでもわりと楽曲の要素としてはポップな仕上がりだったんですね。
で、その後アルバム「REALITY!」が出るまではそんな感じだったのですが、そこから少しずつロック色が強くなっていって
次のアルバム「ELMIRAGE」が出た頃には立派なロックモンスター状態になってたんですが、
その時点ではまだ僕の中ではポップ的要素自体は感じていたんですよ。
ところがこの「BANANA PROJECT」によって濃度の高いペンキぶちまけたのかなっていうくらい
ゴリゴリのロックサウンドだけで構成されたバンドの姿になっていたのです。
だからアレですね。「REALITY!」あたりはブーメランとかで戦ってて、「ELMIRAGE」で「はがねのつるぎ」かなんかに持ち替えてたのに
「BANANA PROJECT」ではまじんのかなづち振り回してるみたいな。
戦士、ご乱心かなっていうような状態になっていたわけなのです。
これは過去作のCDのジャケットの推移だけでもわかるんですよ。「REALITY!」あたりまではまあわりとポップなジャケで、
そこから少しずつ「あ、なんかロックバンドっぽい」みたいなジャケットになっていくんですが、
この「BANANA PROJECT」のジャケット。何でこうなったんや。
どんなジャケットなのかについては僕様のblueskyとかで是非ご確認いただきたいんですが、
その後のTIMESLIP-RENDEZVOUSさんの作品のジャケットを見ても本作のジャケットだけ異常なんです。
基本的にはどんどん行ってしまえ!みたいな展開で進んでいきますが、
元々あった音楽性自体は微かに感じるところがあって、「STILL ALIVE」で魅せるちょっとしたひねくれ方や、
「LOVEゲノム」や「AMBITIOUS」で感じるメロディの美しさに現れているんですが、
やっぱり根幹となったUK的なロックの流れが「WOLF GANG」→「GREEN FLASH」の展開でカチっとハマらせているのと、
中盤にある「I KNOW YOU」→「RUN FOR YOUSELF」の流れのブレなさが全体を統一させるような仕組みを感じます。
思春期にちょっと横道に逸れそうになってる学生を竹刀持った生活指導の先生が叩きなおしてるみたいな。
令和では通用しない表現ですが、
S2さんから見たTIMESLIP-RENDEZVOUSさんの作品至上最も異質な本作は、そんなゴリっとした作品なのです。
そして最終版に訪れる「ミッシェルウィズマスタッシュ」という作品の意味不明さが本作の極みです。
一応、それまでの全ての楽曲(10曲目の「BANANA」も含め)で、歌詞の内容についてはそこまで不明感はないんですが、
この「ミッシェルウィズマスタッシュ」だけはガチで何を言っているのか、
というより「この楽曲で何を伝えたいのか」が見えないんですよ。
ただ聞いてると「ミッシェルウィズマスタッシュ!」っていうコーラスに参加したくなる妙な中毒性がたまんなくなるのです。
そして思うのです。「STILL ALIVE」や「ぜんまい」のような綺麗な楽曲を差し置いて、
「ミッシェルウィズマスタッシュ」をベスト盤に収録する狂気スゲェな、と。
当時のS2さんはこの作品に神的な崇拝をしており、
ただ一方で「TIMESLIP-RENDEZVOUSさんを知らない人に、この作品から勧めるのは絶対違うよな」っていう冷静な感情もあって
個人的にぶちのめされたのに、周囲には伝えてないみたいな状況でした。
あれから25年近く経過した今、改めて「そりゃ勧めにくいわ」という感想は覆らなかったですが、
「なんでこの1枚で音楽業界は騒然としなかったんだ?」というのが改めての疑問となりました。
トイズファクトリー仕事しろよ、くらい思ってしまいましたが
今回のレビューきっかけで「ちょっと聞いてみようかな」ってなってくれた方がいるとしたら、
大変申し訳ございませんが本作を聴く前に以前の作品を聴いて、そこから本作という門をくぐっていただき、
一緒に「どうしてこうなった!」と 「何だこのジャケット!」と叫びましょう。
不良の心が透き通ってるかという議論は必要。
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